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太陽光発電は元が取れる?四国の売電単価と10年の光熱費シミュレーション

太陽光発電は元が取れる?四国の売電単価と10年の光熱費シミュレーション

太陽光発電の費用対効果を考えるポイントは、「電気代がこれまでどう動いてきたか」と「発電した電気がいくらになるか」を、実際の単価で計算してみることです。結論からいえば、電気代がこれまでの傾向どおり緩やかに上がっていくと仮定した本記事の試算では、太陽光発電(5.28kW・蓄電池なし)のある家庭とない家庭の実質的な光熱費の差は10年間で約128万円になりました。蓄電池を加えるとどうなるかは、初期費用まで含めて3パターンで比較します。

もちろん、この数字は前提の置き方で変わります。この記事では、四国電力の電気料金単価・国が定める売電単価・四国での発電量データという確認できる数字だけを使い、計算の中身を全部見せながらシミュレーションします。ご自身の条件に読み替える材料としてお使いください。

電気代はこの10年、上がり基調で推移してきた

まず「支払う側」の電気代から見てみます。電気代には、毎年国が単価を決める再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)が使用量に応じて上乗せされています。その推移がこちらです。

再エネ賦課金の推移グラフ(2014〜2026年度)

2014年度に1kWhあたり0.75円だった賦課金は、2026年度には4.18円と初めて4円台に達しました(経済産業省)。電力市場の影響で一時的に下がった年(2023年度)はあるものの、およそ10年で約5.6倍という水準です。標準的な使用量(月400kWh)なら、賦課金だけで月1,600円を超える計算になります。

加えて燃料価格の影響も受けるため、家計の電気代そのものも高い水準が続いています。総務省の家計調査では、二人世帯の電気代は月平均10,877円(2024年)でした。

この先の電気代を正確に予測することは誰にもできません。ただ、これまでの推移を踏まえると、「電気は今後も安くなるとは限らない」という前提で住まいの計画を立てておくのが現実的です。そこで本記事のシミュレーションでは、過去10年の傾向を踏まえて「電気代が年2%ずつ上昇していく」と仮定します(あくまで仮定で、将来を保証するものではありません)。太陽光発電は、この「支払う電気を減らし、余りを収入に変える」備えといえます。

太陽光はどれくらい発電する?(四国の実データ)

日照に恵まれた四国は、太陽光発電に向いた地域です。いえとち本舗の試算条件(徳島地点・南向き設置・パワーコンディショナ効率96.5%・システムロス5%)では、太陽光パネル1kWあたりの年間発電量は1,192kWhです。

本記事では、5.28kWのパネルを搭載した場合で試算します:

  • 年間発電量 = 5.28kW × 1,192kWh = 約6,294kWh

これは、先ほどの二人世帯の年間電気使用量に匹敵するボリュームです。発電した電気は「自分の家で使う(自家消費)」と「電力会社に売る(売電)」に分かれます。

売電の仕組みと単価(2025・2026年度・10kW未満)

家庭用太陽光の売電単価は国の制度で決まっており、10年間の買取が保証されます。2025年度・2026年度に設置した場合の単価は同一で、次のとおりです。

  • 最初の4年間: 1kWhあたり24円
  • 残りの6年間: 1kWhあたり8.3円

一方、四国電力から買う電気(従量電灯A)は、使用量に応じて1kWhあたり30.65円〜40.78円(燃料費調整前・税込)に賦課金が加わります。つまり「買う電気は30〜40円台、売る電気は24円→8.3円」。ここから分かる大切なことは、売るよりも、自分の家で使って買う電気を減らすほうが得という構造です。5年目以降はとくにその傾向が強まります。

※売電単価は設置年度によって変わります(毎年度、国が見直し)。最新の単価をご確認ください。

10年シミュレーション: 3パターンで比較する

上の数字を使って、「実質的な光熱費」(電気代の支払いから、自家消費による節約分と売電収入を差し引いた金額)を3パターンで10年分計算します。蓄電池は自家消費を増やしてくれる一方で初期費用がかかるため、これを含めずに比べると判断を誤ります。ここでは初期費用まで計上して比較します。

試算条件

項目 設定
電気代(太陽光なし) 1年目は月11,000円(オール電化想定・年132,000円)、以降は年2%ずつ上昇と仮定
パネル容量 5.28kW(年間発電量 約6,294kWh)
自家消費率 太陽光のみ: 30%/蓄電池あり: 50%
蓄電池の初期費用 150万円と仮定(10kWh・工事費込み実勢15〜20万円/kWhの下限・補助金は見込まない)
自家消費の節約単価 1kWhあたり31円(四国電力の段階単価から控えめに設定・電気代と連動して年2%上昇)
売電単価 最初の4年24円・残り6年8.3円(2025・2026年度・10kW未満・10年固定)

年ごとの内訳(概算)

項目 太陽光のみ 太陽光+蓄電池
自家消費による節約 約5.9万円/年〜 約9.8万円/年〜
売電収入(1〜4年目) 約10.6万円/年 約7.6万円/年
売電収入(5〜10年目) 約3.7万円/年 約2.6万円/年
合計メリット(1年目) 約16.5万円 約17.3万円(別途 初期費用150万円)
太陽光なし・太陽光のみ・太陽光+蓄電池の10年累積比較グラフ

10年間の累積で比べると、結果はこうなりました。

パターン 10年間の実質光熱費 なし家庭との差
太陽光なし 約145万円 (基準)
太陽光のみ 約16万円 約128万円おトク
太陽光+蓄電池(初期費用込み) 約142万円 ほぼ同水準(約3万円)

注目したいのは2点です。ひとつは、蓄電池なしの太陽光だけでも差は約128万円になること。売電単価が高い最初の4年は、自家消費が少なくても売電収入がそれを補います。もうひとつは、蓄電池は光熱費の損得だけでは10年で初期費用を回収しきれないこと(補助金なしの場合)。蓄電池の価値は、停電時に電気が使える安心、深夜と昼の電気の使い分け、そして11年目以降(固定買取の終了後)に自家消費へ切り替える備えといった、金額に表れにくい部分も含めて判断するのが実態に合っています。国の蓄電池補助金(年度により実施・早期に締め切られることがあります)を使えれば、回収の景色は変わります。

※本試算は上記条件による概算です。年2%の上昇は過去の推移を踏まえた仮定であり、将来の電気代を保証するものではありません。発電量は天候・設置方位・地域により、電気代は使用量・契約・燃料費調整により、蓄電池価格は製品・容量・時期により変動します。一般に太陽光の後付け設置にも別途費用がかかります。

11年目以降はどう見るか

このグラフは固定買取が終わる10年で区切っていますが、住まいの暮らしはその先も続きます。電気代がその後も上がっていくと仮定すれば、買う電気を減らせる太陽光の効果は、11年目以降にむしろ大きくなる可能性があります。一方で、パワーコンディショナの交換のようなまとまった維持費の支出も、ちょうどこの時期に重なりやすくなります。毎月の負担を軽くし続ける効果と、節目で一括して必要になる維持費。この2つのバランスを長い時間軸で見ておくことが、太陽光と上手に付き合うコツです。

太陽光発電で保証されている範囲、されていない範囲

費用対効果を見極めるコツは、「制度や契約で決まっていること」と「変わりうること」を分けて考えることです。

保証されている範囲(制度・契約で決まっている)

  • 売電単価: 設置年度の単価が10年間固定されます(国の制度)。設置後に翌年度以降の単価改定の影響は受けません
  • 買電の仕組み: 段階単価や再エネ賦課金は毎年度公表され、確認できます
  • 機器の保証: パネルの出力保証・機器保証はメーカーが年数を定めています(製品により異なります)

保証されていない範囲(変わりうる)

  • 発電量: 天候・設置方位・影の影響で変動します。1kWあたり1,192kWhは雨天や冬場も含む年間平均の実績ベースですが、約束された数字ではありません
  • 将来の電気代: 燃料費や制度で変動します。本試算の「年2%上昇」も仮定にすぎません
  • 維持費: パワーコンディショナは寿命による交換(15年前後が目安)を見込みます。後付けの場合は設置費用も別途かかります

シミュレーションの土台になっているのは、保証されている「売電単価の10年固定」と「買う電気を減らす」という構造です。変わりうる部分は控えめに見積もる。この順番で試算すると、期待と現実のずれを小さくできます。

もうひとつ大切なのは、太陽光は「載せて終わり」ではないということです。パワーコンディショナの交換(15年前後が目安)や定期点検、後付けの場合は設置費用そのものを、外壁や屋根の修繕費と同じようにあらかじめ資金計画に組み込んでおくと安心です。10年のメリット試算と将来の支出をセットで見ることが、費用対効果を正しくつかむ近道です。

屋根に太陽光パネルを載せた新築住宅

※写真はイメージです。

いえとち本舗の場合: 太陽光も蓄電池も標準装備

いえとち本舗の建売・分譲住宅は、すべての物件で太陽光発電設備を標準装備しています。後から設置費用を上乗せする形ではなく、標準装備込みの価格でご提示しているため、「太陽光を載せるための追加予算」を別に用意する必要がありません。

さらに規格住宅型の物件では、太陽光発電に加えて家庭用蓄電池も標準装備の価格でご提示しています。本記事の試算で見たとおり、蓄電池は後付けだと初期費用が大きなハードルになりますが、標準装備であればその前提そのものが変わります。※地域により対応できない場合があります。詳細は担当エリアの店舗にお問い合わせください。

断熱・省エネ性能とあわせたZEH水準の設計で、「買う電気を減らし、つくった電気を活かす」暮らしを前提にしています。

太陽光で電気を生み出す平屋の商品仕様ははたらく平屋(イエテラス)でご覧いただけます。住まい選び全体のコストの考え方は家は今買うべき?買い時の判断ポイント、平屋の間取りや土地事情は四国で建てる平屋もあわせてどうぞ。

よくある質問

太陽光発電は本当に元が取れますか?

この記事の試算条件では、蓄電池なしの太陽光のみでも、自家消費の節約と売電収入で年間約10万〜16万円のメリットになりました。一般に後付けの場合は設置費用がかかるため、回収期間は費用と発電条件次第です。標準搭載の住宅では「設置費用を別で回収する」という考え方自体が変わります。まずはご自身の電気使用量で試算してみることをおすすめします。

蓄電池は必要ですか?

必須ではありません。本記事の試算では、光熱費の損得だけで見ると蓄電池の初期費用(150万円と仮定)は10年で回収しきれない結果でした。一方で、停電時に電気が使えることや、売電単価が下がる5年目以降・固定買取が終わる11年目以降に自家消費を増やせる価値があります。国の補助金(年度により実施)を使えるかどうかで判断が変わるため、まず太陽光のみで始めて後から追加する選択肢も含めてご相談ください。

曇りや雨の日、冬は発電しませんか?

発電量は減りますがゼロにはなりません。年間発電量(1kWあたり1,192kWh・徳島観測)は、雨天や冬場も含めた年間平均の実績ベースの数字です。季節や天候による変動を含めて、年単位で考えるのが実態に合っています。

売電単価が下がったら損になりませんか?

売電単価は設置年度の単価が10年間固定されるため、設置後に翌年度以降の単価改定の影響は受けません。また、単価が下がるほど「売るより自分で使う」メリットが相対的に大きくなります。買う電気の単価(30円台〜)が高い限り、自家消費の価値は残ります。

まとめ

  • 電気代に上乗せされる再エネ賦課金は2014年度の0.75円から2026年度の4.18円へと、約10年で約5.6倍になった(経済産業省)
  • 四国の発電量データ(5.28kW×1,192kWh=年間約6,294kWh)と2025・2026年度の売電単価で、電気代が年2%上昇すると仮定して試算すると、蓄電池なしの太陽光だけでも、なし家庭との差は10年で約128万円(本試算の条件の場合)
  • 蓄電池は初期費用(150万円と仮定)まで含めると、光熱費だけでは10年で回収しきれない。停電時の安心・固定買取終了後の備え・補助金の活用まで含めて判断を
  • 売電単価は4年目までの24円から8.3円に下がるため、5年目以降は自家消費が主役。買う電気を減らす価値は電気代が上がるほど大きくなる
  • 保証されているのは売電単価の10年固定など制度の部分。発電量や将来の電気代は変わりうるため、控えめな前提で試算してから判断
  • パワーコンディショナの交換(15年前後が目安)や点検など、将来の維持費も資金計画に組み込んでおくと安心。標準搭載の住宅なら「載せるかどうか」の悩みから解放される

いえとち本舗は太陽光・ZEH標準の家づくりで、光熱費までを含めた「無理のない住まいの計画」をご提案しています。ご自身の電気代でのシミュレーションも承りますので、お気軽にご相談ください。

出典・参考

  • 経済産業省「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」(2014〜2026年度)
  • 資源エネルギー庁「FIT制度 調達価格」(2025・2026年度・10kW未満: 最初の4年24円/kWh・以降8.3円/kWh)
  • 四国電力「従量電灯A 電気料金単価表」(30.65〜40.78円/kWh・燃料費調整前・税込)
  • 経済産業省「定置用蓄電システム普及拡大検討会」(家庭用蓄電池の実勢価格 工事費込み15〜20万円/kWh)
  • 総務省統計局「家計調査(2024年)」(二人世帯の電気代 月平均10,877円)
  • いえとち本舗「イエテラス」試算条件(1kWあたり年間発電量1,192kWh・徳島地点・南向き・パワコン効率96.5%・システムロス5%。自家消費率は本記事の設定=太陽光のみ30%/蓄電池あり50%)

※本記事の単価・制度は各公表時点のものです。売電単価・電気料金・賦課金は改定されるため、最新情報をご確認ください。